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保険


遺言事項

  

遺言事項とは、法律上遺言としての効力が認められている事項のことです。遺言事

項は大きく分けて「身分上の事項」「相続に関する事項」「遺産処分に関する事項」

「遺言執行に関する事項」「その他」
5つに分けられます。これ以外のことを遺言し

ても法律上の効力はありません。この場合、遺言自体が無効になるわけではなく、

その部分のみが無効となります。


1.身分上の事項

   ・子の認知(民897T)

  ・未成年者の後見人の指定(民839

  ・後見監督人の指定(民848

2.相続に関する事項

  ・推定相続人の廃除、排除の取消(民893894U)

  ・相続分の指定、及び指定の委託(民902

  ・特別受益の持ち戻しの免除(民903U)

  ・遺産分割の方法の指定、及び指定の委託(民908

  ・遺産分割の禁止(民908

  ・共同相続人の担保責任の減免・加重(民914

  ・遺贈の減殺の順序、及び割合の指定(民1034但書)

3.遺産処分に関する事項

  ・遺贈(民964

  ・財団法人設立のための寄附行為(民41U)

  ・信託の指定(信託2)

4.遺言執行に関する事項

  ・遺言執行者の指定、及び指定の委託(民1006

  ・遺言執行者の職務内容の指定

5.その他

  ・祭祀承継者の指定(民897T)

  ・生命保険金受取人の指定、及び変更(商675U)

  ・遺言の取消

 

 

        自筆証書遺言

 

証人・立会人     不要

筆者      遺言者


        ・全文を自筆で書くこと

        ・縦書き、横書きは自由で、用紙の制限はありません。

         筆記具もボールペン、万年筆など何を使用しても良い。

        ・日付、氏名も自筆で記入すること。

        ・加除訂正する時は、訂正個所を明確にし、その

         個所に捺印の上署名すること。
 

日付      年・月・日が必要

署名・捺印   遺言者

印鑑      実印・三文判いずれでも良い

        (実印のほうが望ましい)

特徴

作成手続の難易

簡単

秘密保持

遺言の存在・内容ともに秘密にできる

紛失・隠匿・改変の恐れ

多い

効力が問題となる恐れ

方式違反や内容不明で無効になる恐れ有

家庭裁判所の手続き

必要(罰金5万円以下)

費用

あまりかからない

 検認費用 遺言1通につき800円

 保管費用 銀行等の貸金庫


遺言書を封筒に入れて封印することは、法定要件ではありませんが

  密封し、
遺言書に押印した印
で封印しておいた方がいいです。

  そして、封筒には「遺言書」または「遺言書在中」などと明記し、

  「この遺言書を相続開始後遅滞なく家庭裁判所に提出して検認を

  受けること」と付記しておいてください。封印のある遺言書は、家庭裁判所

  で相続人またはその代理人の立会いで開封しなければなりません。


  家庭裁判所以外で開封した者は、5万円以下の過料に処せられます。



      秘密証書遺言

証人・立会人   公証人1名

         証人2名以上(通訳人が兼任可)


筆者     証書は誰でも良い(遺言者が望ましい)封紙は公証人

       

日付     証書には不要 封紙には証書の提出年月日が必要
 

       

 署名・捺印  証書には遺言者

       封紙には遺言者・証人・公証人
 

印鑑     遺言者 証書に押したもの

       証人 実印・三文判いずれでもよい

特徴

作成手続の難易

やや繁雑

秘密保持

遺言の存在は知られるが、内容はわからない

紛失・隠匿・改変の恐れ

少ない

効力が問題となる恐れ

証書には公証力が及ばないから、これが無効になる恐れ有

家庭裁判所の手続き

必要

費用

若干かかる

 公証人の手数料 11000円

 証人の費用  10000円(当事務

        所、日当を含む)  

 検認費用 遺言書1通につき800円

 保管費用 銀行等の貸金庫




       公正証書遺言


証人・立会人  証人2名以上

        (通訳人を介したときは通訳人も可)


筆者      公証人

公正証書遺言は、二人以上の証人が立会い、遺言者が公証人

の前で遺言の内容を口授し、これを公証人が筆記して、

遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させます。

そして正確に筆記されたことを確認して遺言者と証人が署名

押印します。その後、公証人が法律に定める方式に従って作

成したものである旨を付記して署名押印します(民969)



日付      作成の年月日が必要

署名・捺印   遺言者・証人・公証人

印鑑      遺言者 実印(印鑑証明書持参)

         証人  実印が望ましい

        

公正証書遺言の保管 公正証書遺言は、原本、正本

謄本の3通が作成され、原本は公証役場で20年

間または遺言者が100歳になるまで(実際は12

0歳くらいまで保管されるそうです)の、どちらか

長い年数で保管されます。

正本は、遺言執行者が執行のために保管し、謄本は

、遺言者が保管します。

遺言執行者の指定がない場合は、正本は遺言者が保

管し、謄本は、相続人の一人が保管するか、あるい

は、正本、謄本ともに遺言者が保管するという場合

も考えられると思います。

特徴

作成手続きの難易

繁雑

秘密保持

遺言の存在・内容まで知られてしまう

紛失・隠匿・改変の恐れ

ほとんどない

効力が問題となる恐れ

無効になる恐れはほとんどない

家庭裁判所の手続き

不要

費用

かかる

 公証人の手数料(下記に記す)

 証人の費用


【法律行為に係る証書作成の手数料】

(目的の価額)

(手数料)

100万円以下

5000円

100万円を超え200万円以下

7000円

200万円を超え500万円以下

11000円

500万円を超え1000万円以下

17000円

1000万円を超え3000万円以下

23000円

3000万円を超え5000万円以下

29000円

5000万円を超え1億円以下

43000円

1億円を超え3億円以下

4万3000円に5000万円までごとに1万3000円を加算

3億円を超え10億円以下

9万5000円に5000万円までごとに1万1000円を加算

10億円を超える場合

24万9000円に5000万円までごとに8000円を加算


 

遺言公正証書の作成手数料は、遺言により相続させ又は遺贈する財産の価額を目的価額として計算します。
遺言は、相続人・受遺者ごとに別個の法律行為になります。数人に対する贈与契約が1通の公正証書に記載された場合と同じ扱いです。したがって、各相続人・受遺者ごとに、相続させ又は遺贈する財産の価額により目的価額を算出
し、それぞれの手数料を算定し、その合計額がその証書の手数料の額となります。
 例えば、総額1億円の財産を妻1人に相続させる場合の手数料は、3@の方式により、4万3000円ですが、妻に6000万円、長男に4000万円の財産を相続させる場合には、妻の手数料は4万3000円、長男の手数料は2万9000円となり、その合計額は7万2000円となります。ただし、手数料令19条は、遺言加算という特別の手数料を定めており、1通の遺言公正証書における目的価額の合計額が1億円を超えないときは、1万1000円を加算すると規定しているので、総額9000万円の財産を、妻に6000万円、長男に3000万円相続させる場合には、妻の手数料4万3000円、長男の手数料2万3000円のほかに、1万1000円が加算されます。
 祭祀の主宰者の指定は、算定不能の法律行為を目的とするものとして、手数料は1万1000円となりますが、遺言執行者の指定などの従属的法律行為を同一証書に記載する場合には、手数料は不要です。
 
遺言者が病気等で公証役場に出向くことができない場合には、公証人が出張して遺言公正証書を作成しますが、この場合の手数料は、遺言加算を除いた目的価額による手数料額の1.5倍が基本手数料となり、これに、遺言加算手数料を加えます。この他に、旅費(実費)、日当(1日2万円、4時間まで1万円)が必要になります。
 作成された遺言公正証書の原本は、公証人が保管しますが、保管のための手数料は不要です。



公正証書遺言に必要な書類

1 遺言者本人の印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)・実印

2 証人(二人)の住所、職業、氏名、生年月日を書いたメモまたは 

  住民票(印鑑証明書は要りません)・認印


3 財産をあげる相手が相続人の場合は戸籍謄本(遺言者との関係

  がわかるもの)、そのほかの場合は住民票


4 財産のなかに不動産がある場合は、その登記簿謄本(権利書は

  不可)と固定資産税評価証明書


5 預貯金などの場合は、預貯金先、口座番号、預貯金の種類などを


    書いたメモ


6 遺言執行者を指定する場合は、その人の住民票など



言を残した方が良い場合


    @相続人同士が不仲で遺産争いが生じそうな場合

    A先妻の子供がいる場合や認知している愛人の子供


     いる場
合など( 家庭関係が複雑な場合

    B事業の後継者を指定したい場合

    C特別に遺産を多く(少なく)与えたい人がいる場合

    D相続権の無い人に遺産を分け与えたい場合

    E遺産を与えたくない相続人がいる場合

    F相続人が誰もいない場合 など


遺言がないと危ない事例


         @   相続人の中に認知症候補者未成年(孫養子など)

     の方がいる場合 ⇒ 遺言書がない場合は家庭裁判所

       で手続きを経ないと遺産分割協議が成り立ちません。

    A不動産収入がある場合 ⇒ 遺産分割協議成立まで

     の賃料を相続人全員に分配しなければならなくなります

    B特定の相続人およびその家族に偏った生前贈与や資金

     援助をしている場合

    C土地や建物を相続人に貸している場合

    D事業継承者に自社株や担保用地を相続させるように

     なっていない場合

    E相続人のなかに家計不安や一時相続時の不満がある場合

    F値動きの激しい株や投信・外貨預金がある場合 ⇒

     遺産分割までに高値売却のタイミングを逃す可能性あり

    G先妻や先夫との間に子供がいる場合 

遺言の表現の違い

「相続させる」遺言

「遺贈する」遺言

表現

特定の財産を特定の相続人に相続させる

特定の財産を特定の相続人に遺贈する

相続後の所有権移転登記手続きの申請

単独申請

 

他の相続人と共同申請  

登録免許税

0.4

2.0%法定相続人以外

借地・借家権の相続

賃貸人の承諾不要

身体人の承諾が必要



遺産分割のツボ

  @法定相続分ばかりにとらわれるのではなく、財産管理能時

  など今後の事も考えた「遺産分割」がベター



  A遺産分割協議書への署名実印押印が終了するまで安心しない


  B一つの不動産を複数のご兄弟で共有相続しない 

          

売却・収用の予定がある場合のみにする。



  C借入で賃貸建物を建てている場合、借入継承者と建物の相続

  人
同一人にしておく ⇒ 利息を全額経費にできなくなる



  D賃貸不動産は早めの遺産分割


  E法人のオーナーは、持株割合や会社への貸付金・貸土地が多

  い
場合は、誰が相続するかで法人の財務状況や諸税にも影響

    遺言と異なる遺産分割も可能 ⇒ 全員の納得



  Fとりあえず「遺産分割協議書」?⇒ 贈与税がかかる事も


 G
遺産分割は相続税や相続後の所得・消費税も考えて

       ⇒ 土地や株の売却や延納・物納を考えている方は注意



  Hご先祖名義のままの不動産がある場合は特に早めの着手


  I代償分割」も可能 ⇒‘物、を分ける代わりにお金で

      

現物取得した人=評価額−代償債務

   代償分割財産(現金)=相続税課税対象

        (不動産)=譲渡所得

  10ヶ月以内に分割して相続税申告



  J協議分割出来ない ⇒ 法定相続分で分割したものとして申告

  「小規模宅地の評価減規定」「配偶所の税額軽減規定」の適用なし

  ⇒3年以内に確定 ⇒ 修正申告又は更正の請求